PacketiX VPN 2.0 マニュアル 第5章 PacketiX VPN Bridge 2.0 マニュアル 5.1 動作環境

 

< 第5章 PacketiX VPN Bridge 2.0 マニュアル5.2 動作モード>

5.1 動作環境

PacketiX VPN Bridge は多くのプラットフォームおよびオペレーティングシステムをサポートしています。なお、対応オペレーティングシステムに関する仕様については 「12.3 PacketiX VPN Bridge 2.0 仕様」 をお読みください。

 

5.1.1 Windows のサポート

PacketiX VPN Bridge は Microsoft Windows プラットフォームをサポートしています。Windows プラットフォームのうち、Windows NT 4.0 や Windows 2000 以降の新しい NT カーネルベースのプラットフォームを十分サポートしていることはもちろん、レガシシステムである Windows 98 や Windows Millennium Edition もサポートしており、場合によってはこれらの古いシステムで PacketiX VPN Bridge を稼動させることも可能です。

ソフトイーサ株式会社が PacketiX VPN Bridge を開発するにあたっては、プログラムの開発および基本的なデバッグと最適化作業は Windows プラットフォーム上で行い、その後そのプログラムを他のオペレーティングシステムに移植するという作業を行っています。その結果、Windows オペレーティングシステムの持つカーネルスケジューラおよびネットワークプロトコルスタックの性能は Linux のそれと同等程度か、または若干上回るものであり、他の UNIX 系オペレーティングシステムと比較して遜色が無いだけではなくむしろ性能は UNIX 系オペレーティングシステムを上回ることがわかりました。さらに、Windows 版 PacketiX VPN Bridge を使用すると最も制限事項の少ない状態で VPN Bridge を運営することができます。

また、Linux やその他の UNIX 系オペレーティングシステムはカーネルのバージョンやディストリビューションおよび様々なライブラリのシステム間の若干の違いによって、特定のソフトウェアが正常に動作したり動作しなかったりすることがありますが、Windows オペレーティングシステムの場合はシステム内の API およびユーザーモードライブラリの動作にある程度の一貫性が保証されているため、古いバージョンから新しいバージョンの Windows まで、PacketiX VPN Bridge を安定して動作させることができます。

したがって、ソフトイーサ株式会社としては他に技術的またはコスト的な問題がない場合、PacketiX VPN Server を Windows プラットフォーム上で使用することを推奨します。

Windows 版の PacketiX VPN Bridge が対応しているシステムアーキテクチャは下記のとおりです。なお対応アーキテクチャは今後増加する可能性が高くなっています。

  • x86

PacketiX VPN Bridge のこのマニュアル執筆時のビルドでは、Windows オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit Windows オペレーティングシステム上でも動作させることは可能な場合がありますが、ローカルブリッジ機能が使用できない場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Bridge を 64bit にネイティブ対応する予定です。

 

5.1.2 Linux のサポート

PacketiX VPN Bridge は Linux プラットフォームをサポートしています。動作することが可能なカーネルのバージョンはカーネル 2.4 系以降です。

Linux プラットフォームは、Windows プラットフォームの次にソフトイーサ株式会社が推奨する動作環境です。Linux のカーネルスケジューラやマルチスレッドライブラリの性能は以前と比較して非常に向上しており、またネットワークプロトコルスタックも Windows と同等程度に信頼できるものになっています。したがって、Windows を VPN サーバーとして利用することが技術的または政治的な問題によって困難な場合は、Linux システム上で PacketiX VPN Bridge を使用することを推奨します。特に、Linux オペレーティングシステムは導入にあたってのソフトウェアライセンス費用が Windows よりも安価である場合が多いというメリットが挙げられます。Linux 版の PacketiX VPN Bridge は Windows 版と比較してほぼ同程度の性能および機能を発揮します。

また、Linux オペレーティングシステムは Windows オペレーティングシステムと比較して、対応している CPU の種類が多いというのが特徴の一つでもあります。そのため、PacketiX VPN Bridge は下記に挙げられるような多くの CPU に対応しています。Linux は通常のコンピュータ以外の組み込み機器 (NAS やルータ、HDD レコーダなど) にも搭載されており、それらのハードウェアでは x86 以外の組み込み機器向け CPU が採用されている場合があります。PacketiX VPN Bridge をそれらのハードウェア上で動作させることも可能です。

Linux 版の PacketiX VPN Bridge が対応しているシステムアーキテクチャは下記のとおりです。なお対応アーキテクチャは今後増加する可能性が高くなっています。

  • x86
  • PowerPC
  • SH4

PacketiX VPN Bridge のこのマニュアル執筆時のビルドでは、Linux オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit Linux オペレーティングシステム上でも動作させることは可能な場合がありますが、ローカルブリッジ機能が使用できない場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Bridge を 64bit にネイティブ対応する予定です。

 

5.1.3 FreeBSD のサポート

PacketiX VPN Bridge は FreeBSD オペレーティングシステム上で動作しますが、FreeBSD 版 PacketiX VPN Bridge はローカルブリッジ機能をサポートしていません。したがって、FreeBSD 版の PacketiX VPN Bridge を使用する場合で仮想 HUB とそのコンピュータが接続されているネットワークとの間を接続する場合は SecureNAT 機能を使用するしかありませんが、SecureNAT 機能は日常的な拠点間ネットワークを構築・運用するために使用することは推奨されていません (詳しくは 「3.7 仮想 NAT および仮想 DHCP サーバー」 をお読みください)。

したがって、PacketiX VPN Bridge を FreeBSD オペレーティングシステム上で動作させる必要はほとんどありませんが、ソフトウェア的には現在下記のプラットフォームに対応しています。

  • x86

PacketiX VPN Bridge のこのマニュアル執筆時のビルドでは、FreeBSD オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit FreeBSD オペレーティングシステム上でも動作させることが可能な場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Bridge を 64bit にネイティブ対応する予定です。

 

5.1.4 Solaris のサポート

PacketiX VPN Bridge は Solaris オペレーティングシステム上で動作しますが、Solaris 版 PacketiX VPN Bridge はローカルブリッジ機能をサポートしていません。したがって、Solaris 版の PacketiX VPN Bridge を使用する場合で仮想 HUB とそのコンピュータが接続されているネットワークとの間を接続する場合は SecureNAT 機能を使用するしかありませんが、SecureNAT 機能は日常的な拠点間ネットワークを構築・運用するために使用することは推奨されていません (詳しくは 「3.7 仮想 NAT および仮想 DHCP サーバー」 をお読みください)。

したがって、PacketiX VPN Bridge を Solaris オペレーティングシステム上で動作させる必要はほとんどありませんが、ソフトウェア的には現在下記のプラットフォームに対応しています。

  • x86
  • SPARC

PacketiX VPN Bridge のこのマニュアル執筆時のビルドでは、Solaris オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit Solaris オペレーティングシステム上でも動作させることが可能な場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Bridge を 64bit にネイティブ対応する予定です。

 

5.1.5 Mac OS X のサポート

PacketiX VPN Bridge は Mac OS X オペレーティングシステム上で動作しますが、Mac OS X版 PacketiX VPN Bridge はローカルブリッジ機能をサポートしていません。したがって、Mac OS X 版の PacketiX VPN Bridge を使用する場合で仮想 HUB とそのコンピュータが接続されているネットワークとの間を接続する場合は SecureNAT 機能を使用するしかありませんが、SecureNAT 機能は日常的な拠点間ネットワークを構築・運用するために使用することは推奨されていません (詳しくは 「3.7 仮想 NAT および仮想 DHCP サーバー」 をお読みください)。

したがって、PacketiX VPN Bridge を Mac OS X オペレーティングシステム上で動作させる必要はほとんどありませんが、ソフトウェア的には現在下記のプラットフォームに対応しています。

  • PowerPC

PacketiX VPN Bridge のこのマニュアル執筆時のビルドでは、Mac OS X オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit Mac OS X オペレーティングシステム上でも動作させることが可能な場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Bridge を 64bit にネイティブ対応する予定です。

 

5.1.6 組み込み機器のサポート

PacketiX VPN Bridge は移植性および省メモリ性に優れたソフトウェアプログラムコードとして実装されています。したがって、ハードウェアのルータやレイヤ 3 スイッチ、レイヤ 2 スイッチ、無線 LAN 装置、デジタル家電製品および自動車などの小型のコンピュータを搭載しているハードウェアデバイスのうち動作要件を満たしているものに組み込むことも可能です。

今後、PacketiX VPN Bridge が様々な機器に組み込まれた場合、それらの機器の間では共通の PacketiX VPN プロトコルによって相互の接続・通信が可能であることが論理的に保証され、より多くの場面でコンピュータユーザーではない一般のコンシューマが PacketiX VPN を意識せずに使用することができるようになります。

 

5.1.7 制限事項

PacketiX VPN Bridge では、いくつかのオペレーティングシステムにおいて発生する制限事項が存在します。これらの制限事項については本マニュアルの他の部分で記載されている場合がありますが、各オペレーティングシステムおよびハードウェアアーキテクチャに依存する技術的に回避が困難な問題が他に存在する可能性もあります。また、ソフトイーサ株式会社はすべてのオペレーティングシステムで PacketiX VPN Bridge の安定動作を保証している訳ではありません。ソフトイーサ株式会社が推奨するオペレーティングシステムおよびシステム構成については、「12.3 PacketiX VPN Bridge 2.0 仕様」 をお読みください。

 

 

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PacketiX VPN 2.0 Manual Version 2.10.5070.01
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