1.3 PacketiX VPN 2.0 の製品構成およびライセンス
PacketiX VPN 2.0
はソフトウェア製品であり、機能ごとに複数のエディションとしてライセンスが販売されています。ここでは、PacketiX VPN 2.0
の製品構成について解説します。また、PacketiX VPN 2.0 に導入されているライセンスモデルについても説明します。
1.3.1 使用目的によるエディションの分類
PacketiX VPN 2.0
は個人的・家庭的なネットワーク、中小規模のビジネス用のネットワーク、および大企業やインターネットサービスプロバイダなどが必要とする広帯域および高い負荷が発生する高度なネットワークなどのすべての範囲をカバーすることができる能力を持った
VPN ソフトウェアですが、これらを実現するための各機能に関しては、PacketiX VPN 2.0
の使用目的ごとに必要なものと不要なものに分けられます。たとえば、自宅や中小規模の会社でリモートアクセス VPN
を運営する際に、数百〜数千の同時接続数をサポートするためのクラスタリング機能は不要です。
そこで、ソフトイーサ株式会社は PacketiX VPN 2.0 をご使用いただくお客様のニーズに合わせ、4
種類の製品エディションを用意いたしました。お客様は、4 種類のエディションから最も使用用途に適切なものを選択していただくことができます。
PacketiX VPN Server 2.0 のエディション
以下で説明する各エディションの差異に関する事項は、PacketiX VPN Server 2.0
にのみ適用されるものです。ソフトイーサ株式会社は、PacketiX VPN Server 2.0
のみを使用にライセンスキーが必要となる有料のソフトウェア製品として出荷しています。
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0 はフリーウェア
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
については使用するのにライセンスキーが不要でどなたでも入手して使用することができるフリーウェアとして提供しております。
※
「フリーウェア」は「オープンソースソフトウェア」などとは異なります。また、使用にあたってはインストール時などに表示される使用権許諾契約書の内容に従う必要があります。 |
1.3.2 各エディションの機能と特徴
PacketiX VPN Server 2.0 は下記の 4
つの製品エディションに分かれており、その機能の違いや注意事項は次のとおりです。
製品エディション名 |
同時クライアント接続数 |
同時ブリッジ接続数 |
クラスタリング |
商用利用 |
Standard Edition |
購入したクライアント接続
ライセンス数による |
購入したブリッジ接続
ライセンス数による |
× |
○ |
Enterprise Edition |
購入したクライアント接続
ライセンス数による |
購入したブリッジ接続
ライセンス数による |
○ |
○ |
Free Edition |
無制限 |
無制限 |
○ |
× |
SOHO Edition |
3 (固定) |
0 (固定) |
× |
○ |
- Standard Edition、Enterprise Edition および SOHO Edition
は有償のソフトウェア製品であり、それぞれのエディション用の「製品ライセンス」をご購入いただく必要があります。また、その VPN
Server
に同時に接続するクライアント数およびブリッジ数の最大数は、購入した「クライアント接続ライセンス」および「ブリッジ接続ライセンス」の合計数によって決定されます。
- Free Edition
は無償のソフトウェア製品であり、ライセンスを購入することなくすべての機能を同時接続数無制限に利用することができますが、使用にあたっては個人利用に限定され、商用利用を行うことはできません。
1.3.3 PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition は、クラスタリング機能が不要な規模の VPN
サーバー機能を提供することができる PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。一般的な企業・官公庁および個人事業者に適合しています。すべての機能が利用可能な Enterprise Edition
との違いは唯一、クラスタリング機能が使用可能かどうかだけです。
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition を使用するためには、PacketiX VPN
取り扱いパートナーから製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition License」をご購入ください。
また、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
を使用する場合には、製品ライセンスだけではなく「クライアント接続ライセンス」または「ブリッジ接続ライセンス」も購入する必要があります。
1.3.4 PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition は、クラスタリング機能を必要とする規模の VPN
サーバー機能を提供することができる PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。大企業や官公庁および大学などで、構成員を対象とした大規模なリモートアクセス VPN
サービスを提供する場合に必要となる場合があります。また、インターネットサービスプロバイダなどの通信事業者が顧客向けに仮想 HUB
のレンタルサービス (ASP 型 VPN サービス)
を提供するような場合にはクラスタリングが必要になることが多く、そのような場合にも必要となります。
クラスタリング機能に関する詳細は、「1.7 クラスタリングによる大規模環境への対応」 をお読みください。
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition を使用するためには、PacketiX VPN
取り扱いパートナーから製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
License」をご購入ください。また、すでに製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Standard
Edition License」を保有されているお客様は、製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0
Enterprise Edition Upgrade License」を後からご購入いただくことにより、製品エディションを
Enterprise Edition にアップグレードすることができます。
また、PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
を使用する場合には、製品ライセンスだけではなく「クライアント接続ライセンス」または「ブリッジ接続ライセンス」も購入する必要があります。
1.3.5 PacketiX VPN Server 2.0 Free Edition
PacketiX VPN Server 2.0 Free Edition
は、個人ユーザーのためにソフトイーサ株式会社が特別に提供する、無償ですべての機能を使用することができる製品エディションです。「製品エディション」の一種ですが、個人ユーザーの方はフリーウェアとして使用することが可能です。
ただし、Free Edition を商用目的で使用することはできません。商用目的での利用かどうかの定義は、下記の表のとおりです。
使用目的 |
定義 |
商用利用 |
PacketiX VPN Server
を経由して業務のための通信が行われるような使用方法。業務とは、営利または非営利を問いません。たとえば官公庁やボランティア団体などが業務のために本ソフトウェアを使用する場合も含まれます。 |
非商用利用 |
商用利用を一切伴わない利用。 |
PacketiX VPN Server 2.0 Free Edition を使用するためには、ソフトイーサ株式会社から直接「PacketiX
VPN Server 2.0 Free Edition License」を無償で取得してください。この無償のライセンスは Web
サイトで条件に同意して必要事項をフォームに記入するだけでリアルタイムで発行されます。
1.3.6 PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition は、小規模の企業および個人事業者が小規模な VPN
を構築するために使用する際に適切な PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。同時接続数に制限がある他は、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
とほぼ同等の機能を持っています。
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition に関する事項は、次のとおりです。
- 使用するにあたって、別途クライアント接続ライセンスを購入する必要はありません。
- クライアント接続ライセンスが 3 クライアント数まで標準で添付されています。ブリッジ接続ライセンスは標準で添付されていません。
- クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスを追加購入することはできません。
- 別のコンピュータの VPN Bridge (またはブリッジモードの VPN Client) から VPN Server 2.0
SOHO Edition に接続することはできません。
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition を使用するためには、ソフトイーサVPN株式会社から製品ライセンス「PacketiX
VPN Server 2.0 SOHO Edition License」をご購入ください。
1.3.7 接続ライセンスについて
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition および PacketiX VPN Server 2.0
Enterprise Edition を使用する場合は、製品ライセンスとは別にその VPN Server に同時に接続する可能性がある VPN
Client や VPN Server
の台数を見積もって、その台数以上の数の「クライアント接続ライセンス」および「ブリッジ接続ライセンス」を購入していただく必要があります。
- PacketiX VPN Server 2.0 Free Edition
では接続ライセンスを購入していただく必要はありません。Free Edition
では、常にクライアント接続ライセンスとブリッジ接続ライセンスが無制限に登録されているのと同等の状態になります。
- PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition
でも接続ライセンスを購入していただく必要はありません。SOHO Edition では、常にクライアント接続ライセンスが 3
クライアント数、ブリッジ接続ライセンス数が 0 クライアント数登録されているのと同等の状態になります。
- 同時に大量の VPN
接続を処理する必要がある場合は、「接続数が無制限のライセンス」を購入していただくことも可能です。接続数が無制限のライセンスをお持ちの場合は、PacketiX
VPN Server ソフトウェアまたはコンピュータのハードウェアの限界まで同時接続数を処理することができます。
接続ライセンス数は、PacketiX VPN Server 2.0
をインストールしたサーバーコンピュータに関連付けられ、そのコンピュータの PacketiX VPN Server 2.0
が処理することができる接続数が決定されます。接続ライセンスの一部または全部を別の PacketiX VPN Server 2.0
を動作させているサーバーコンピュータにも適用することはできません。
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
を使用している場合のクラスタリング環境においては、クライアント接続ライセンス数とブリッジ接続ライセンス数はクラスタ全体で管理されます。詳しくは、「1.7.5 クラスタリング時の製品ライセンスおよび接続ライセンス」
をお読みください。
PacketiX VPN Server 2.0
は、登録されたライセンス数の合計によって算出される同時接続数の制限を越えた数のコンピュータからの VPN
接続を受け付けません。なお、本ソフトウェアはお客様が所持しているライセンスキーの内容と接続ライセンスの数量に応じた機能をできる限り提供しますが、ハードウェアまたはソフトウェアの回避が困難または不可能な技術的制限によって、一部の機能の動作が低下、不安定化または動作しない場合があります。たとえば、400
個のクライアント接続ライセンスを購入したにもかかわらず、PacketiX VPN Server 2.0
を稼動させるサーバーコンピュータのメモリの使用可能な空き容量が 100 Mbytes 程度しかない場合は、実際には 200
接続程度の同時接続でサーバーコンピュータの空きメモリを使い果たし、機能が正しく動作しないようになる可能性があります。接続ライセンス数はあくまでも
PacketiX VPN Server 2.0
が論理的に受け付けることができる接続数の最大値制限値を設定するものであり、お客様がご購入いただいた接続ライセンスの個数分の
VPN 接続がいかなる場合でも接続可能であることを保証するものではありません。 |
無制限接続ライセンス
ソフトイーサ株式会社は、構築する VPN Server
に対する同時接続クライアント数および同時接続ブリッジ数の合計数を容易に見積もることができないような顧客のために、「無制限接続ライセンス」という特別な接続ライセンスを用意しています。
このライセンスの正式名称は「VPN Server 2.0 Unlimited Connect License」です。この接続ライセンスをお持ちの場合は、それを登録した
VPN Server (クラスタを使用する場合にあたっては、同一のクラスタに所属する複数台の VPN Server 全体)
において同時に接続することができるクライアント接続数およびブリッジ接続数が「無制限」になります。
VPN Server 2.0 Unlimited Connect License は 「10.9 大規模な仮想 HUB ホスティングサービスの構築」 で解説されているような ISP
によるサービス用途などにご使用いただくのに最適なライセンス形態です。
1.3.8 クライアント接続ライセンス
PacketiX VPN Server 2.0 は、その VPN Server 2.0
に登録された「クライアント接続ライセンス」の合計数までの同時クライアント接続を受け付けて処理することができます。登録されているクライアント接続ライセンス数の合計数を超えたクライアント接続を処理することはできません。制限数を超えた場合、後から接続した
VPN セッションはエラーで切断されます。
クライアント接続ライセンスを消費する VPN 接続セッションの種類
クライアント接続ライセンスを必要とする「クライアント接続数」としては、次の条件に一致する VPN 接続セッションがカウントされます。
- 別のコンピュータのPacketiX VPN Client 2.0 からの VPN 接続セッション (ブリッジ /
ルータモードで接続しているものを除く)。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Client 2.0 が VPN 接続をした場合に、その VPN
接続セッションは「クライアント接続数」でのカウントの対象となります。
ただし、VPN 接続時に「ブリッジ / ルータモード」が有効になっている VPN
セッションは「ブリッジ接続数」としてカウントされますので、「クライアント接続ライセンス」としてはカウントされず、クライアント接続ライセンスは消費されません。また、VPN
Server を動作させているコンピュータ自身で動作している PacketiX VPN Client 2.0
からの接続は、ネットワーク経由の接続ではありませんので、カウントされません。
PacketiX VPN Server 2.0 内部の「SecureNAT
セッション」、「ローカルブリッジセッション」、「カスケード接続セッション」、「PacketiX VPN Server
2.0を管理するために VPN サーバー管理ツールや vpncmd
から接続された管理セッション」はクライアント接続数またはブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、接続ライセンスを消費しません。 |
1.3.9 ブリッジ接続ライセンス
PacketiX VPN Server 2.0 は、その VPN Server 2.0
に登録された「ブリッジ接続ライセンス」の合計数までの同時ブリッジ接続を受け付けて処理することができます。登録されているブリッジ接続ライセンス数の合計数を超えたブリッジ接続を処理することはできません。制限数を超えた場合、後から接続した
VPN セッションはエラーで切断されます。
ブリッジ接続ライセンスを消費する VPN 接続セッションの種類
ブリッジ接続ライセンスを必要とする「ブリッジ接続数」としては、次の条件に一致する VPN 接続セッションがカウントされます。
- 別のコンピュータからの PacketiX VPN Bridge 2.0 または PacketiX VPN Server
2.0 からのカスケード接続の VPN セッション。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Bridge 2.0 または PacketiX VPN Server 2.0
がカスケード接続をした場合に、その VPN 接続セッションは「ブリッジ接続数」でのカウントの対象となります。
ただし、自分自身の PacketiX VPN Server 2.0 内部で仮想 HUB が別の仮想 HUB
にカスケード接続するような場合も、ネットワーク経由の接続ではありませんので、「ブリッジ接続ライセンス」としてはカウントされず、ブリッジ接続ライセンスは消費されません。
- 別のコンピュータからの PacketiX VPN Client 2.0 からのブリッジ / ルータモードで接続している
VPN 接続セッション。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Client 2.0 が「ブリッジ / ルータモード」で VPN 接続をした場合に、その VPN
接続セッションは「ブリッジ接続数」でのカウントの対象となります。
VPN 接続時に「ブリッジ / ルータモード」が有効になっていない VPN Client からの VPN
セッションは「クライアント接続数」としてカウントされますので、「ブリッジ接続ライセンス」としてはカウントされず、ブリッジ接続ライセンスは消費されません。また、VPN
Server を動作させているコンピュータ自身で動作している PacketiX VPN Client 2.0
からの接続は、ネットワーク経由の接続ではありませんので、カウントされません。
- PacketiX VPN Client 2.0 による「ブリッジ /
ルータモード」に関する詳細については、「1.6.9 ブリッジ / ルータモードセッション」 および 「3.4.9 ブリッジ / ルータモードセッション通信」 をお読みください。
PacketiX VPN Server 2.0 内部の「SecureNAT
セッション」、「ローカルブリッジセッション」、「カスケード接続セッション」、「PacketiX VPN Server
2.0を管理するために VPN サーバー管理ツールや vpncmd
から接続された管理セッション」はクライアント接続数またはブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、接続ライセンスを消費しません。
PacketiX VPN Server 2.0 の仮想 HUB と物理的な
LAN カードをローカルブリッジ (「3.6 ローカルブリッジ」 を参照)
接続した場合でも、そのローカルブリッジ自体はブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、クライアント接続ライセンスを消費しませんのでご注意ください。 |
1.3.10 PacketiX VPN Client および PacketiX VPN Bridge について
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
を使用するためには、製品ライセンスおよび接続ライセンスは不要です。VPN Client 2.0 および VPN Bridge 2.0
はソフトイーサ株式会社によって「フリーウェア」として提供されているため、インストール時などに表示される使用権許諾契約書にしたがって使用することができます。
ただし、PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0 を PacketiX
VPN Server 2.0 に接続して使用する場合には、接続先の PacketiX VPN Server 2.0
で必要な製品ライセンスおよびクライアント接続ライセンス・ブリッジ接続ライセンスが必要です (PacketiX VPN Server 2.0
Free Edition を除く)。
1.3.11 体験版ライセンス
ソフトイーサ株式会社は、お客様が PacketiX VPN 2.0
の製品ライセンスおよび接続ライセンスをご購入いただく前に、PacketiX VPN 2.0
の使用方法、性能、機能および安定性などについて実際に使用して体験するために、「体験版ライセンス」を発行いたします。
「体験版ライセンス」は無償で発行され、申し込み時に希望したエディション (PacketiX VPN Server 2.0 Standard
Edition または PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition)
の体験版ライセンスキーと、評価に必要な程度のクライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスの体験版ライセンスキーを受け取ることができます。体験版は一定期間
(ソフトイーサ株式会社がライセンス発行の際に定めた期間。通常は約 30 日間)
使用することができ、それを超えて使用する場合はライセンスをご購入いただくか、PacketiX VPN Server 2.0
の使用を終了していただくことになります。
PacketiX VPN Server 2.0 の体験版ライセンスは原則として 1 組織につき 1
度のみ発行いたします。また、PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition の体験版はありません。
体験版ライセンスで利用することができる PacketiX VPN Server 2.0 の機能は、製品版の PacketiX VPN
Server 2.0 のライセンスで利用することができる機能と全く同等です。したがいまして、PacketiX VPN Server 2.0
の製品版ライセンスの購入をされる前に、必ず体験版を実際に PacketiX VPN 2.0
を使用されることを予定する環境で導入して、各種機能および性能の評価を行っていただくことを強く推奨いたします。
体験版ライセンスをご利用いただく際に「体験版」として使用期限が設定されているのは PacketiX VPN Server 2.0
のみです。PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
は体験版の使用期限にかかわらず、フリーウェアとして無償で使用できます。 |
1.3.12 ライセンスの有効期限
通常の製品版ライセンスとしてご購入いただいたライセンスキーは、通常は有効期限はありません。有効期限がないライセンスは無期限で使用することができます。
体験版ライセンスの有効期限は、体験版の使用期限と同一です。有効期限が切れたライセンスは、製品ライセンス・接続ライセンスのいずれの場合でも自動的に無効になり、そのライセンスが
PacketiX VPN Server 2.0
に登録されていなかったものとして扱われます。ただし、たとえば接続ライセンスの有効期限が切れた瞬間に PacketiX VPN Server
に接続していた VPN Client や VPN Bridge のセッションが突然切断されることはありません。
Free Edition ライセンスの有効期限は、ソフトイーサ株式会社が Free Edition
のライセンスを発行する際に指定した期限までです。ただし、Free Edition
のライセンスについてはユーザーがソフトイーサ株式会社に有効期限が切れる前に申請することによって、原則として何度でも延長することができますので、事実上、無償で無期限で使用することができることになります。
ソフトイーサ株式会社は、製品版・体験版以外の種類のライセンスを、特定のお客様宛に発行する場合があります。これらのライセンスは通常「Premium
License」などと呼ばれます。Premium License
には有効期限がある場合と無い場合とがあり、また同時にソフトイーサ株式会社によって指定された条件がある場合はその条件によってライセンスの効力が消滅する場合もあります。
1.3.13 ライセンスのサーバー ID
サーバー ID の役割
PacketiX VPN Server 2.0 のライセンスキーには、すべて「サーバー ID」と呼ばれる最大 12
桁の整数が指定されています。サーバー ID は PacketiX VPN Server 2.0 を動作させるコンピュータを定義するものです。
たとえば、企業内に A と B の 2 台の VPN サーバー用コンピュータがあり、この両方に PacketiX VPN Server
2.0 をインストールして VPN サーバーとして使用する場合、サーバーコンピュータ A 用に発行された製品ライセンスのサーバー ID
と、サーバーコンピュータ B 用に発行された製品ライセンスのサーバー ID とは数字が異なります。
PacketiX VPN Server 2.0 では、入力されたライセンス情報に含まれるサーバー ID の値を読み取り、VPN
Server 2.0 の管理者に対して現在のサーバー ID を表示します (詳しくは 「7.4.3 現在のライセンス状態および接続数の使用状況の確認」 をお読みください)。
サーバーコンピュータ A の PacketiX VPN Server 2.0
用の接続ライセンスを追加購入しようとする場合、お客様はサーバーコンピュータ A のサーバー ID
を指定して、そのサーバーに対する接続ライセンスを購入することになります。
したがって、サーバーコンピュータ B など、別の PacketiX VPN Server 2.0 が動作している VPN Server
用に発行される接続ライセンスキーをサーバーコンピュータ A に入力して使用することはできません。
同様に、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition の製品ライセンスを購入してサーバーを
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
として使用している状態で、クラスタリング機能を必要とするために後日 PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise
Edition Upgrade License をご購入いただく場合も、先に使用していたアップグレード対象の PacketiX VPN Server 2.0
Standard Edition のサーバー ID を指定する必要があります。
サーバー ID による管理のメリット
PacketiX VPN Server 2.0 の製品ライセンスおよび接続ライセンスにサーバー ID
が指定されており、また同じサーバーに複数のサーバー ID
を持つライセンスキー同士を混在させて登録することができないような制限になっているため、お客様はどのサーバーコンピュータにどのサーバー ID
を持ったライセンスを使用するのかを事前に決定することで、ライセンス数およびライセンスキーの管理が容易かつ確実になります。
なお、サーバー ID はソフトイーサ株式会社が新しい製品ライセンスを発行する際に乱数を用いて決定する、他のサーバー ID
と重複することが無い 40 bit
程度の整数値であり、それ以上の意味はありません。また、お客様はライセンス購入にあたって、そのライセンスがどのサーバーコンピュータで使用されるのかといった管理情報をソフトイーサ株式会社に提供していただく必要はありませんし、ソフトイーサ株式会社はサーバー
ID をコンピュータや個人の識別などに使用することはありません。
1.3.14 ライセンス ID およびライセンスキー
ライセンス ID およびライセンスキー
PacketiX VPN Server 2.0 用の製品ライセンス、クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスは、「ライセンス
ID」および「ライセンスキー」の 2 種類の表記方法で識別されます。お客様はライセンス ID およびライセンスキーを所有し、それを
PacketiX VPN Server 2.0 に入力することによって、PacketiX VPN Server 2.0
プログラムに対して正規のライセンスを保有していることを証明することができ、PacketiX VPN Server 2.0
の各種機能が利用可能になります。
ライセンスキー
ライセンスキーはライセンスを一意に識別するものであり、PacketiX VPN Server 2.0
に対して実際に入力する必要があるキーです。ライセンスキーは一般的に下記のような形式をしています。
XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX
上記のような 36 桁の英数字とハイフンの組み合わせで表現されたライセンスキーには、ライセンスの種類、ライセンスの有効期限、サーバー
ID、シリアル ID などのライセンスの管理に必要な情報が格納されており、このライセンスキーを持っていることにより PacketiX VPN
Server 2.0 のライセンスを正規に保有していることが証明できます。
ライセンス ID
ライセンス ID はライセンスを一意に識別するものであり、ライセンスキーを入力するとそれに対応するライセンス ID が PacketiX
VPN Server 2.0
によって表示されるほか、ライセンスが発行された際のライセンス証書またはメールの本文にライセンスキーと共に記載されています。
ライセンス ID は一般的に下記のような形式をしています。
AAAAA-BBBBB-CCCCCCCCCCCC-DDDDD-EE
上記の A 〜 E の場所にはそれぞれ数字が入り、合計 29 桁の数字 (ハイフンを除く)
で構成されています。それぞれのフィールドの情報は下記のとおりです。
フィールド |
値 |
AAAAA |
ライセンスの種類
(このライセンスが製品ライセンスや接続ライセンスのうちいずれの種別のものであるかを示す 5 桁の数字)。 |
BBBBB |
ライセンスが無期限である場合は、00000。
ライセンスに有効期限が設定されている場合は、有効期限を示す数字 (おおよそ西暦2005年1月1日からの日数)。その値が
4 桁以下の場合は、5 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
CCCCCCCCCCCC |
サーバー ID を示す 12 桁の数字。その値が 11
桁以下の場合は、12 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
DDDDD |
同一サーバー ID 下でのライセンスキーを識別するためのシリアル
ID を示す 5 桁の数字。その値が 4 桁以下の場合は、5 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
EE |
チェックデジット (2 桁)。 |
したがって、ライセンス ID の 2 個目のフィールドを見るだけで有効期限の有無が、3 個目のフィールドを見るだけでライセンスのサーバー
ID がすぐにわかるようになっており、複数のライセンスキーとライセンス ID の管理が楽になります。
ライセンスキーおよびライセンス ID の取り扱い
ソフトイーサ株式会社から直接またはパートナーを通じて発行されたライセンスキーおよびライセンス ID
の取り扱いにはご注意ください。特にライセンスキーは、PacketiX VPN Server 2.0
の管理者など必要最低限の人物以外の方に教えないように厳重に保管されますようお願いいたします。ライセンス ID
のみではライセンスキーを生成することができず、ライセンス ID
が流出した場合でもライセンス違反を防ぐことはできますが、ライセンスキーが流出してしまった場合はそのライセンスキーを他のコンピュータに入力することによって不法にソフトウェア製品の使用が行われてしまい、被害が発生する可能性があります。PacketiX
VPN 2.0 のサポートを購入元パートナーに依頼する場合では、「ライセンス ID」のみを伝達してください
(サポートを受けるにあたって、ライセンスキーを提示する必要はありません)。
同一のライセンスキーを複数のコンピュータに入力することによる不法コピーの禁止
お客様は、同一のライセンスキーを 2 台以上の PacketiX VPN Server 2.0
が動作しているコンピュータに入力することはできません。PacketiX VPN Server 2.0
の使用権許諾契約書によると、「同一の製品ライセンスキーまたは接続ライセンスキーを 2
台以上のコンピュータに入力し使用すること。」というライセンスキーの使用方法は禁止事項として規定されており、これに同意せずに複数のコンピュータに同一の製品ライセンスキーや接続ライセンスキーを入力した場合は、PacketiX
VPN Server 2.0 プログラムの複製権を侵害する著作権法違反行為として、刑事的および民事的な罰を受ける可能性があります。
1.3.15 ライセンスの有効性および諸情報の確認方法
お客様が製品ライセンスキーや接続ライセンスキーを PacketiX VPN
取り扱いパートナーを経由してご購入しただいた場合において、保有されているライセンスキーがソフトイーサ株式会社によって正規に発行されたものであるかどうかを確認するための
Web サイトを使用することができます。
「PacketiX ライセンス管理サービス Web
サイト」にアクセスしていただくことにより、原則としていつでもお客様がお持ちのライセンスキーまたはライセンス ID
が真正なものであるかどうかを確認することができます。また、お客様のライセンスに関する詳細な追加情報を入手できます。
「PacketiX ライセンス管理サービス Web サイト」にアクセスし、お客様のライセンスキーまたはライセンス ID
を入力することによって確認することができるライセンスに関する情報には、次のようなものがあります。
- ライセンスの種類。
- ライセンス ID。
- ライセンスキー。
- サーバー ID。
- シリアル ID。
- ライセンス発行日時。
- ライセンスの有効期限。
- ライセンスの販売元パートナー名およびサポート情報。
- 入力されたライセンスのサーバー ID と同一サーバー ID を持つ他のライセンスのライセンス ID およびライセンスキーの一覧。

図1-3-1 PacketiX ライセンス管理サービス Web サイト |
1.3.16 ライセンスの追加購入について
お客様が PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition または Enterprise Edition
をお使いになっている場合で、当初ご購入いただいたクライアント接続ライセンスまたはブリッジ接続ライセンスの数が不足してきたため追加でクライアント接続ライセンスまたはブリッジ接続ライセンスをお買い求めいただく場合は、ご購入元の
PacketiX VPN 取り扱いパートナーまたは保守契約などをされているサポート担当者までご連絡ください。また、その際に「サーバー
ID」または「ライセンス ID」が必要になります。追加購入したクライアント接続ライセンス、ブリッジ接続ライセンスまたは Enterprise
Edition Upgrade License は、お客様がすでにお持ちの PacketiX VPN Server 2.0 のサーバー ID
に対して発行されます。
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