PacketiX VPN 2.0 マニュアル 第4章 PacketiX VPN Client 2.0 マニュアル 4.1 動作環境

 

< 第4章 PacketiX VPN Client 2.0 マニュアル4.2 VPN Client の操作>

4.1 動作環境

PacketiX VPN Client 2.0 は Windows および Linux をサポートしています。なお、対応オペレーティングシステムに関する仕様については 「12.2 PacketiX VPN Client 2.0 仕様」 をお読みください。

 

4.1.1 Windows のサポート

PacketiX VPN Client 2.0 は Microsoft Windows プラットフォームをサポートしています。Windows プラットフォームのうち、Windows 2000 以降の NT 系カーネルを持つ各種オペレーティングシステムに正式に対応しているのはもちろん、Windows 98 Second Edition や Windows Millennium Edition にも VPN Client をインストールして使用することができます。

PacketiX VPN の世界では、VPN に対して直接リモートアクセスするクライアントシステムとして Windows を想定しています。なぜならば、VPN Client をインストールする目的は大半が遠隔地から VPN Server へインターネットを経由してリモートアクセスすることであるからです。ほとんどの企業や個人のデスクトップコンピュータやラップトップ PC などには Windows が採用されています。

Windows 版の PacketiX VPN Client が対応しているシステムアーキテクチャは下記のとおりです。なお対応アーキテクチャは今後増加する可能性が高くなっています。

  • x86

PacketiX VPN Client のこのマニュアル執筆時のビルドでは、Windows オペレーティングシステムの 32bit バージョンのみをサポートしています。64bit Windows オペレーティングシステム上でも動作させることは可能な場合がありますが、仮想 LAN カード機能が使用できない場合があります。ソフトイーサ株式会社では今後 PacketiX VPN Client を 64bit にネイティブ対応する予定です。

なお、ソフトイーサ株式会社が VPN Client において正式にサポートしているオペレーティングシステムは Windows 2000 / XP / Server 2003 に限定されます。本マニュアルではこれらのオペレーティングシステム上で VPN Client を使用するための解説を行います。

 

4.1.2 Linux のサポート

PacketiX VPN Client 2.0 は Linux カーネル 2.4 以降のプラットフォーム上でも動作します。ただし、Linux 版 VPN Client には制限事項が多く、また現在のところ GUI による操作ソフトウェアもありません。したがって、Linux 版 VPN Client は Linux オペレーティングシステムやネットワークについて非常に詳しい知識をお持ちの方のみが使用してください。

なお、Linux サーバーを使用して拠点間接続またはリモートアクセス VPN を構築する場合は、通常は Linux 版 VPN Server のローカルブリッジ機能を使用することによってこれらの目標を達成することができ、Linux 版 VPN Client をあえて使用する必要がないことに注意してください。

 

4.1.3 その他のシステムのサポート

現在のところ、Windows 版および Linux 版の PacketiX VPN Client が提供されていますが、その他のオペレーティングシステム用の VPN Client は提供されていません。また、PacketiX VPN のユーザーからの要望としても、他のオペレーティングシステムへの VPN Client の対応要望はほとんどありません。また Windows 以外の多くのオペレーティングシステムはクライアントコンピューティング向けのネットワーキング機能が Windows と比較して貧弱であるため、たとえ VPN Client を使用しても十分満足な結果を得られない場合もあります。

ソフトイーサ株式会社は、今後登場する予定の Windows を含めた次世代オペレーティングシステムのうち需要があるプラットフォームに対して VPN Client を移植していく方針を持っています。

 

4.1.4 制限事項

VPN Client を使用する上では下記のような制限事項があります。

  • Windows 98 Second Edition または Windows Millennium Edition の VPN Client のサポートは限定的なもので、いくつかの制限があります。たとえば、これらのオペレーティングシステムに追加することができる仮想 LAN カードの数は 1 つです。また、仮想 LAN カードを追加したり、無効化 / 有効化や IP アドレスの設定などを変更する場合は、通常 Windows を再起動する必要があります。さらに Windows 98 Second Edition や Windows Millennium Edition は古い Windows カーネルをベースとして実装されているオペレーティングシステムですので、システム自体が不安定であり、長期間使用を続けるとクラッシュしたり正しく動作しなくなったりする可能性があります。ソフトイーサ株式会社は Windows 98 Second Edition または Windows Millennium Edition での VPN Client の使用を推奨していません。
  • Windows 98 の初期のエディション (Second Edition よりも前のエディション) では VPN Client は一切使用できません。
  • Windows 版 VPN Client は、システムから 1 枚の LAN カードとして見える仮想 LAN カードデバイスドライバをインストールすることにより動作します。Windows にはネットワークに関連した既存の不具合がいくつかあります。これらの不具合は VPN Client の仮想 LAN カードに対しても影響を与えます。
  • ソフトイーサ株式会社では Linux 版 VPN Client を提供しますが、これが正常動作することについて一切サポートしておりません。
  • Linux 版の VPN Client を動作させるためには、Universal TUN/TAP デバイスドライバモジュールがカーネルに組み込まれている必要があります。詳しくは、http://vtun.sourceforge.net/tun/ を参照してください。
  • Linux 版の VPN Client はルーティングテーブルの自動書き換えなどの機能はありません。VPN 接続した tap デバイス側をデフォルトゲートウェイにする場合は、VPN サーバーへのスタティックルートを手動で接続する必要がある場合があります。
  • Linux 版 VPN Client によって生成される tap デバイスを DHCP クライアントデバイスとして使用する場合は、DHCP クライアントデーモンなどを適切に設定する必要があります。

 

 

< 第4章 PacketiX VPN Client 2.0 マニュアル4.2 VPN Client の操作>

PacketiX VPN 2.0 Manual Version 2.10.5070.01
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